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さまざまな職業法律・行政にかかわる職業

よりよい国やまちづくりの担い手
国家公務員・地方公務員

国家公務員は、国民全体のために国の行政を担う。内閣府や文部科学省などの中央省庁の職員のほか、国税専門官や労働基準監督官、航空管制官のように1府13省庁とその外局で、社会が抱える問題解決のために政務を行う。地方公務員は、地域住民の生活と福祉向上のため各地方自治体の行政を担う。都道府県庁や市役所のほか、学校、図書館、保健所、土木事務所などでの勤務もある。警察官や消防官も地方公務員だ。

関連学問は

各専門職種に応じた学部
国家公務員になるには採用試験に合格しなければならない。採用試験は、政策の企画立案を行う「総合職」、施策の実行や調査、研究などを行う「一般職」、特定の行政知識を持つ「専門職」に分かれている。合格後は希望する官庁を自らまわって面接などを受け、正式に採用される。地方公務員になるには、各地方自治体が行う採用試験に合格する必要がある。

国家公務員試験(院卒者・大卒程度) 合格状況推移

年度 区分 申込者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
2023 総合職 18,386 2,450 13.3
一般職 26,319 8,269 31.4
2022 総合職 18,295 2,137 11.7
一般職 28,103 8,156 29.0
2021 総合職 17,411 2,056 11.8
一般職 27,317 7,553 27.6
2020 総合職 19,926 1,897 9.5
一般職 28,521 6,031 21.1

(人事院調べ)

身近な法律コンサルタント
司法書士

依頼人の司法関係の書類手続きを代行するのが司法書士の仕事だ。身近なものでは不動産や商業上の登記など、一般市民には難しいこれらの手続きを行う。一般市民からみると「身近な法律専門家」といえる。また、認定司法書士になれば簡易裁判所において代理人として法廷に立つほか、裁判外で和解の手続きを代理することもできるなど、職域は広がっている。

関連学問は

法学
司法書士になるためには、司法書士試験(国家試験)に合格しなくてはならない。合格率は例年4~5%程度の超難関試験だ。受験資格に制限はないが、試験内容は幅広い法律知識が要求されるため、法学系の大学へ進学したい。

法秩序を維持する
裁判官

裁判官は民事事件や刑事事件などを審理し、事実を明らかにしたうえで法律を適用し判決を下す。裁判での判決は社会に与える影響も大きい。冷静な判断力と強い精神力が必要だ。

事件を捜査し法の裁きを要求する
検察官

検察官は刑事事件について犯行の証拠や動機・背景などを取り調べる。法律で罰するべきと判断した場合は、裁判所に起訴して法による裁きを要求する。被疑者の状況や犯罪の重大性等によっては起訴しない(起訴猶予など)権限もある。刑の執行を指揮監督するのも検察官の仕事だ。

依頼人に代わり法廷で活躍
弁護士

依頼人の法律上の権利や利益を守るために、法廷で依頼人の訴えの正当性を主張し論争する。法律相談や法律文書の作成、示談交渉など、あらゆる法律事務処理を行うのも弁護士の仕事だ。裁判官と検察官が国家公務員であるのに対し、弁護士は民間人である。

関連学問は

法学
裁判官・検察官・弁護士は法曹と呼ばれ、いずれも司法試験に合格した後に進路を選ぶ。司法試験の受験資格を得るには、法科大学院を修了するか、司法試験予備試験に合格する必要がある(※)。法科大学院へ進学するには必ずしも法学系の大学を卒業している必要はないが、法曹をめざすならやはり法学系の学部へ進学するべきだろう。
  • 2023年度から定められた要件を満たせば法科大学院在学中の受験が可能になった。

How To裁判官・検察官・弁護士

How to 裁判官・検察官・弁護士

まめ知識

法科大学院と司法試験予備試験
法科大学院は将来の法律実務家を育てる専門職大学院で、募集している大学は全国に34校(国立15校、公立2校、私立17校)ある(2024年4月現在)。標準修業年限は3年間(法学部出身者は2年間)で、修了すれば司法試験の受験資格が得られる。法科大学院への進学者を増やすため、2020年度からは大学の法学部と法科大学院を5年で修了する一貫型の「法曹コース」が設置された。さらに、2023年度からは条件を満たせば大学院在学中に司法試験の受験が可能になり、最短6年で資格を取得できるようになった。
一方、司法試験予備試験は、時間や経済的理由などで法科大学院へ進学できない者に資格取得の道を確保するための試験で、学歴や年齢の制限はない。合格すれば法科大学院へ進学しなくても司法試験を受験できるため、予備試験の合格が法曹への近道になるとの考えが広まり、近年は予備試験の志願者数が法科大学院の志願者数を上回っている。
とはいえ、予備試験の合格率は例年4%前後と極めて低い。予備試験受験者のプロフィールをみると、法科大学院在学中に1年でも早く司法試験を受けるため、あるいは法科大学院への進学を念頭に置いてチャンスを増やすために、予備試験を受験している人が多いようだ。各大学院の司法試験合格率なども調べてみよう。
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