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2024年度入試を振り返る2024年度入試の特徴

大学入試の競争緩和は継続中

今春の18歳人口は前後5年で最少となっており、前年と比較すると3万4千人減少、率にすると3%減少しました<図表1>。また、近年は入試の競争緩和が進み、既卒生の数が減少、現役生中心の入試となっています。大学志願者数は減少していますが、人口減ほど大きくなく、今春は微減にとどまったものとみています。一方で4年制大学の定員は今春も拡大しており、競争緩和の流れは変わりません。

<図表1>18歳人口・大学志願者数の推移
<図表1>18歳人口・大学志願者数の推移

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今春の国公立大(前期)の倍率は約半数の募集区分が2倍未満となりました。また、私立大専願者は出願校数を増やして合格可能性を高める必要性が低く、出願校数は絞り込まれました。私立大では推薦総合型、一般選抜ともに倍率が2倍を切る大学が多くなりました。2023年度は私立大の定員充足率が100%を切り、事実上の全入となりましたが、2024年度についても状況は変わらなかったと推測します。

共通テストの志願者・合格者は減少、平均点はアップ

共通テストは志願者数・合格者数ともに前年から減少しました。ただし、減少したのは私立大専願者がメインの3科目以下の受験者です。一方、7科目以上受験者は前年並みだったため、国公立大の志願者数に影響はありませんでした。

共通テストの平均点は今年もアップしました。7科目型では平均点は6割前後となり、センター試験時代と変わらなくなりました。今年は科目間の得点差も小幅におさまるようになってきました。

旧課程最後の入試も、安全志向はみられず

今年は旧課程最後の入試でした。懸念された極端な安全志向はみられませんでした。今回の新課程の変化が限定的であったことと、受験生にとって近年の競争緩和によるチャンスの広がりの方が印象が強かったことが影響していそうです。

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